彼氏を送ったその後は、とっとと家に帰るつもりだったのですが
娘の意向で映画を見てから帰ることになりました
映画を見るのも三年ぶり
今回は何の下調べもしていなかったので、やってる中から選ぶことになりました
時間帯が時間帯なので、チケットを買えるタイトルが限定されてしまいます
その中で最後に残ったのが「変態仮面」と「偽りの隣人」でした
私の見たいのが「変態仮面」だと思われるでしょうが、さにあらず
娘のイチオシが「変態仮面」でどうやらこの映画、二作目らしく、前作の出来が良かったとのことと、キャストも結構良いらしく、上映時間が折り合えばこちらを見ることになっていたはずなのですが…
上映時間の関係で今回は「偽りの隣人」の方になりました
もちろんこれも娘のおごり、父親の威厳は微塵もありません
待つことしばし、入館します
始まってからクレジットを見ていると監督が黒沢清となっています
声には出しませんでしたが、これはいい映画かもしれない!
と少し期待してしまいます
黒沢清監督は、黒澤明監督の息子ですが、親の七光りなどではなく、硬派で重厚な映画を造る才能のある監督です
今回のこの映画も出だしから良い意味で予想を裏切リ続け、それでいてリアリティーが高く観る者を惹きつける犯罪映画ですが、そこには正義などなく、それぞれの人間が懸命に生きている様が描かれていました
最後までどうなるか分からず、最後の最後に決着を迎えますが、そこにも正義はなくただ人間がいるだけのとことん人間に正直な映画に仕上がっていました
黒澤明監督の映画のほうは三船敏郎が主演の映画は好きですが、それ以外は?なものが多く、映画って監督よりも役者だなと思っていたきらいがあったのですが、黒沢清監督の映画を見て、派手なところが全くないのに最後までたるむことなく引っ張っていくその映像と世界観はまさにこの監督特有のもので、日本はおろか世界的にも稀な映画監督だとつくづく思いました
見終わった後、娘の方も暫く無口になるほど感じるものがあったようで、帰りの車の中で、ぽつんと「いい映画だったね」と言ったのが良い意味で意外でした
子供って、知らない間に大人になっていくもんですね
といいうか、いつまで子供だと思っているんだよ!って感じでしょうか?